新たなイメージを社会に掲示する
メディア映像の対象はドローイングアニメーション、ストップモーションアニメーションなどのアニメーション、デジタル映像の制作技術を利用した VFX?XRコンテンツやポストブロードキャストを視野に置いた映像、デジタルアート&エンターテインメントや様々な媒体に向けた広告宣伝などに使用されるコマーシャル映像、インタラクテイブな映像インスタレーションなどのメディアアート、デジタルアーカイブ、メディア映像文化研究と多岐にわたります。
メディア映像専攻では、今後さらに多様化するメディア?映像分野において、これまでの表現の枠にとらわれずに新たな表現の開拓に挑戦していきます。
カリキュラムCurriculum
総合的な基礎力を習得し、専門的技術を得て、自由な発想で豊かな表現に取り組む
これまでの芸術の枠にとらわれずに、分野?領域を柔軟に横断する独自のカリキュラムを構成します。メディア映像のスペシャリストになるための基礎的造形力を習得し、メディア映像のさまざまな表現を学習しつつ、目指したい専門の研究分野を決定し、制作研究を進められるように教員が各自の特性を見出します。
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1?2年次 表現の基礎とメディア領域の発見
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1年次と2年次では、メディア映像表現における造形的基礎と専門的基礎を学ぶためのさまざまな講座が用意されています。1年次は、表現に必要となる造形力を身につけるための演習を中心としたカリキュラムに取り組みます。2年次は、メディア映像に関する専門的で幅広い技術の習得を目指し、各種演習に取り組みます。
メディア映像基礎実技(1年次)
工房実習、形態と速度、空間/光、モデリング、スタジオワーク、時間、ドローイング、立体造形の研究、アイデアディベロップメント、ストーリーワーク、モーショングラフィックスなどの課題によって、基礎的な造形力、表現力、発想力を身につけます。
メディア映像実技Ⅱ (2年次)
映像表現、プロモーション映像、アニメーション、ドキュメンテーション+アーカイブ、インタラクション、クリエイティブワークなどの課題を制作します。
メディア映像演習(1~3年次)
1年次から3年次にわたって、より深く学ぶための各種演習「メディア映像演習A」「メディア映像演習B」「メディア映像演習C」「メディア映像演習D」「映像音響演習」など、様々なフィールドで必要となる専門的な技術習得を目指します。
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3?4年次 メディア映像表現の作品展開と拡張
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メディア映像実技Ⅲ メディア映像実技Ⅳ 卒業制作
3年次からは、メディア映像研究ゼミとして、アニメーション表現領域、映像表現領域、CG表現領域、メディア企画領域、メディアアート表現領域の5つの研究室が用意され、教員とコミュニケーションを取りながら、専門領域の制作研究をゼミ形式で進めます。また専攻内の機材やスタジオを自由に利用し、習作や展示などのアクティビティに取り組みます。
4年次は、各研究室に所属し、集大成として完成度の高い卒業制作に挑みます。
アニメーション表現領域
領域概要
アニメーション表現領域では、ドローイング及びストップモーションによるアニメーション作品の制作を行います。それらは鉛筆や油彩、写真、切り絵、粘土、オブジェなどを素材とします。また、デジタル?アプリケーションによる制作も行います。さらに、鑑賞とディスカッションを通して、作品を分析し言語化する力を修得します。
制作物
制作物は、映像データの再生に限らず、インスタレーションなどアニメーションを多岐に捉え、表現することを期待します。そして、国際映画祭や美術館、ギャラリー、オンラインでの発表を想定します。
活動分野
卒業後は、フリーランスとして起業したり、作家として活動することを想定しています。また、国内外の大学院に進学し実践及び理論的研究の継続も推奨します。
求められる人物像、メッセージ
アニメーションは社会の中で機能する機会が多い表現であり、そのため作者が世界をどう捉えているのかを示すことが求められます。アニメーションが持つ多様性の中から何を選択するのか、その姿勢が大切です。この領域ではアニメーションの本質を見つめ、卓越した作家力によって社会に何ができるのか探求することを求めています。その成果として、消耗品としての映像ではなく意義のある作品を作ってほしいです。
映像表現領域
領域概要
映像表現領域では伝統的なメディアテクノロジー(視覚玩具、写真、映画、ビデオ、音響)から現代の電子的メディアまでその特性を学び、それらを横断的に扱い、時間を用いた表現の制作に取り組みます。
制作物
映画、ドキュメンタリー、インスタレーション、パフォーミングアートなど
活動分野
コンテンポラリーアート、映像制作、メディアデザインなどの設計、ディレクション
求められる人物像、メッセージ
imageという語には2つの意味があります。一つは、光学装置によって結んだ外部の像。もう一つは人間の内面に結ばれる心像。その両方が常に重なっているのが映像(image)です。その二重性で社会と芸術とを接続すること、そのための自分なりの方法を探求できるスキルと好奇心、行動力を求めます。
CG表現領域
領域概要
CG表現領域ではVFX?ARコンテンツデザインを中心に、CG(コンピュータグラフィクス)を利用した様々な表現のためのスキルやプログラミングを学びます。また企画から完成までの応用力を身につけ、新しい映像表現やゲームコンテンツなどを通して、現代社会に内包される問題や表現、エンタテインメント企画としての表現を学びます。
制作物
具体的な制作物としてはCGアニメーション、CGを利用したVFX合成映像作品、ゲームビューワーUnity、Unrealを利用し、インタラクティブなストーリー3DCGコンテンツなどを制作します。3DCGソフトとしてAuto Desk MAYA、Side Effect Houdini、Touch Designer、Notch、Rhino、AdobeCCなどを利用して制作をおこないます。
活動分野
将来活動する分野としてはVFX映像制作プロダクション、ゲームプロダクション、3DCGアニメーション、コンテンポラリーアート活動などの業界を中心に、就職のみならず起業などのイノベイティブな活動も視野に入れています。
求められる人物像、メッセージ
ネットゲームや配信型コンテンツなど、新しいインフラと新しい技術が目まぐるしく変わる現代において、それらを吸収活用しながらも流されず、常に自分にしかない表現をを目指すモチベーションを持ち続けようとする人を求めています。
メディア企画領域
領域概要
メディア企画領域では、基本的にアウトプットの形式にはこだわらず、「何を誰にどのように伝えるか」を頭に置きながら、従来からあるメディアを組み合わせたり、新しいメディアを試したり開発したり、様々な手段を用いて目的を達成することを目指します。
制作物
企画設計することを基本としながら、最終的なアウトプットとしては、デザイン系アプローチ(プロモーション、CM、ブランディングなど)からアート系アプローチ(メディアアート、インスタレーション、パフォーマンス、ワークショップ、イベントなど)まで、様々な「時間」表現を取り扱います。
活動分野
テレビやインターネットなどの各種映像制作、社会連携や地域プロモーション企画、イベントなどのプランニング、インターフェースやコミュニケーションのためのデザイン企画など、幅広い分野での活動が期待されます。
求められる人物像、メッセージ
時代や社会的要求の変化とともに求められる内容が変わっていく分野なので、自分の身の回りに起こることを敏感に感じながら、情報発信を行うことに対する積極的な実験や試行錯誤を繰り返して、活動して欲しいと思います。
メディアアート表現領域
領域概要
メディアアート表現領域では身体や空間、テクノロジー、映像、音響、光など多様な素材や手法を用いて、インタラクティブ(双方向性)、参加、体験、関係、コミュニケーション、社会連携などの多様な要素を含んだ制作を行ないます。
制作物
具体的な制作物としてはメディアアート、メディアインスタレーション、ビデオアート、ネットアート、サウンドアート、ミクストリアリティー、パフォーマンス、ワークショップ、参加型イベント、社会連携プロジェクトなど、多様な表現に取り組みます。
活動分野
将来はコンテンポラリーアート、メディアアート、メディアデザイン、XR、映像、ゲーム、社会連携など、多様な分野での活躍が期待されます。
求められる人物像、メッセージ
刻々と変化する現代の社会においては今後さらに新しいテクノロジーや価値観が生まれてくる可能性があり、好奇心と実験精神を持って新しい表現に挑戦して欲しいと思います。また他者や社会と連携してプロジェクトを進めてゆく計画性やコミュニケーション力を求めています。
メディア映像特講
さまざまなメディア映像分野で活躍するクリエイター、ディレクター、アーティスト、プロデューサーを招聘し、自らの経験をもとに表現を拡張する方法や考え方を得る講座を開講します。
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設備と機材の充実
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専門分野を学ぶための制作環境、スタジオと貸出機材
各研究分野では専門的な環境や機材が必要です。メディア映像スタジオや音響編集するMA室、個別の撮影が可能なアニメーションスタジオ、VFXなど特殊な表現が可能なCGスタジオ、センシングインスタレーションが可能なメディアスタジオ、キャラクターや特殊なデバイス作り出すための3Dプリンターやレーザーカッターが整備された工作室などが用意されます。また、それぞれの制作に必要となる撮影機器や編集環境も充実しています。
メディア映像スタジオ棟
新設のメディア映像スタジオ棟内には映像スタジオ、副調整室、MA室が配置され、スタジオワークでのプロダクション制作を行うことができます。
映像スタジオ
映像スタジオは約116.5m.のスペースに8mの高さをもち、大型のセットを組むことも可能。 空間キャリブレーションされた4Kカメラやムービングカメラがセットされ、グリーンバックやフロアーによるAR撮影スタジオとしても機能します。
副調整室
映像スタジオの照明やカメラワークの調整を行う副調整室では、放送施設と同様に撮影時の切り替えやコントロールの指示、撮影データの収録を行なうことができます。
MA室?録音室
完成した映像にセリフや音をつけて音声編集を行うMA室と、奥にはナレーションなどを録音できる録音室も完備し、クオリティーの高い制作が行なえます。
芸術学/メディア映像棟
芸術学/メディア映像棟は内部を専攻ごとに壁で仕切られ、棟の南側の2つの出入口をメディア映像専攻北口、南口として使用します。1階にはインフォメーション/機材室、2階には学生用アトリエや教員研究室、工作室やアニメーションスタジオ、CGスタジオなどの各種の専門的な演習を行う部屋を設けています。
アトリエ
学生には各自に1人ずつメディア映像表現の制作用PCが用意され、制作に集中できるようにブースが設置されています。また、アトリエ入口通路にはリラックスできるアイディアワークスペースとして、カウンターとハイチェアーを配置しました。
視聴覚/PC講義室
講義やPCを使用した演習などの授業をおこないます。また、作品コンテンツを映写し、講評会などを行います。
アニメーションスタジオ
アニメーションスタジオには4つの大きな暗室がセッティングされ、コマ撮りアニメーションなどの撮影ができます。照明やカメラは機材室から借りて準備します。また他に小さな組み立て式暗室も用意されています。
CG スタジオ
CGスタジオでは、レンダリング処理に特化したPCなどのサーバー室が併設され、本格的なCG制作を行うことができます。VFXなどの特殊な視覚表現や映像スタジオのXRコンテンツ撮影と連動する作り込みができるので、より完成度の高い表現が可能となっています。
ポスプロ室
プロダクションされた映像に効果音や音声の調整を行い、ビジュアルエフェクトの追加など、作品の編集や仕上げなどのポストプロダクション作業を行うことができます。
カラーグレーディング室
ポスプロ室と同様の作業に加え、映像にオリジナルな特徴と新たな印象を与える色補正を行い、最終的な作品の質を高める作業環境を整えています。
メディアスタジオ
天井にグリッドバーが設けられ、プロジェクターやカメラ、モーター類などを設置することができるので、複雑かつ多様なセンシングインスタレーションの制作を行うことができます。
工作室
インフォメーション/機材室
授業に関する情報管理や案内、各室の管理、専攻授業で使用する機材のメンテナンスや貸出などを行います。撮影取材用のCanonC70シネマカメラやコマ撮りアニメーション用の組み立て暗室や照明、CanonR6カメラなどを始めとした、専門的な機材を用意しています。
コミュニケーションスペース
学生同士が情報交換や作品についてのディスカッションをしたり、教員と学生が作品を見ながら制作について話し合うなど、幅広い用途で自由に使うことができる交流スペースです。簡易なプレゼンテーションの場としても利用することができます。
学外研修
最新の現場から情報を収集
3年次に、国内外の国際フェスティバルやメディア映像の現場を訪れ、視野をひろげ、最新の現場の情報を得て、それぞれの進路や表現の糧となる見識を深めます。
教員Faculty members
教授
森 真弓
MORI Mayumi
教授
有持 旭(ALIMO)
ARIMOCHI Akira
准教授
池田 泰教
IKEDA Yasunori
准教授
八嶋 有司
YASHIMA Yushi
特任教授
堤 幸彦
TSUTSUMI Yukihiko
特任教授
関口 敦仁
SEKIGUCHI Atsuhito
特任教授
石橋 素
ISHIBASHI Motoi
特任教授
比嘉 了
HIGA Satoru
特任教授
菅野 創
KANNO Sou
客員教授
山村 浩二
YAMAMURA Koji
メディア映像スタジオ職員 上山 朋子
在学生の声Voice of Students
入試情報
Admission Information
メディア映像専攻では、総合型選抜、一般選抜を実施しています。学部入試(美術)